春先から梅雨前にかけて、CAR DETAILIST 、車好きには注意が必要な季節です。
その原因は3月~6月にかけて「花粉」と「黄砂」が降る季節だからです。
春の花粉として代表的なものは針葉樹のスギ、ヒノキです。花粉には多様な種類がありますが、この時期には日本国内のほとんどの場所で花粉がみられます。
花粉が車の塗装に対して与える悪影響は、花粉が雨や空気中の水分によって湿った時に起こります。花粉の粒子に水分が触れることで、粒子が破壊され、その中に含まれている成分が溶け出します。花粉に含まれる成分はその種類にもよりますが、タンパク質やアルカリ成分などが含まれています。中でも車の塗装面にダメージを与える物質が「ペクチン」です。
ペクチンとは果実などをゲル化させる成分で、果物ジャムの「とろみ」の素となる成分です。
これが車の塗装面に張り付き、侵食し、塗装を引っ張ってシミを作ってしまいます。これが「花粉シミ」といわれるものです。

花粉シミは納品されたばかりの新車の車にもある場合があります。
既に出来てしまった「花粉シミ」に関して、クレンジングだけでは除去できません。花粉が車の上に積もっている状態を見たら、マメな洗車をおこなうことが一番のシミ予防になります。
ペクチンは「アルカリ性」の性質を持つため、弱酸性~中性のクレンジングで洗っていきます。
また、この時期は黄砂が吹く季節です。
花粉+黄砂は放置しておくと、塗装面に深刻な悪影響を与える原因になります。
黄砂には細かい砂や、炭酸カルシウムが含まれています。炭酸カルシウムは中性で溶解しません。酸性のシャンプーで洗浄することが必要です。
細かな砂が多いので、ボーディーを摩擦して傷を作らないよう、泡立ちの良いフォームで擦らないようにして洗うのが塗装をきれいに保つ秘訣です。
<具体的なカークレンジング方法>
〜花粉や黄砂が車に積もってしまっている場合〜
- たっぷりの水で洗い流す。
-
TAC DI FOAM(アルカリ性)の泡を車にたっぷり吹きかけ、少し置きます。
少し置くことで「汚れ」が浮き上がってきます。 - 擦らずに水で洗い流します。
-
TAC CI FOAM(酸性)の泡を車にたっぷり吹きかけ、少し置きます。
少し置くことで「汚れ」が分解され、その前におこなった「アルカリ洗浄」のアルカリ性分も中和します。(アルカリ性のクレンジングをおこなった後は、酸性のクレンジングで中和させることが重要です) - 擦らずに水(純水)で洗い流します。
- Car Shampoo(中性)をランス(ガン)フォーム、またはバケツで泡だて、スポンジなどで洗い、しっかりと水(純水)で濯ぎます。
- 素早く噴きげる。 TAC WATER FLOW COAT+などのコート剤を使用すると、塗装面を保護できるので、予防対策になります。
<既に出来てしまった「花粉シミ」対策>
花粉は70°以上でペクチンと塗装との結合が解けます。熱を使用した処理を行うことで、出来てしまった「花粉シミ」を除去できます。
- 対策1>> 夏まで待って、炎天下で車の塗装面の温度を70°以上にして対策する。
- 対策2>> 70°~80°程度のお湯を用意します。これを出来てしまった「花粉シミ」部分にかけ、シミを除去します。
出来てしまったシミなどが、手に負えない場合にはお近くのプロショップに相談してみてください。